令和二年の初秋、当院では特に小型犬(チワワ、ミニチュアダックスなど)を中心に胃腸障害が多発した。症状は嘔吐または軟便・下痢で、放置すると血便・食欲廃絶というものであったが、当院における死亡例は幸いにもなかった。私はこれをイヌの季節性感冒症候群(教科書的にはいわゆるかぜ症候群というものはイヌにはない)と考えていて、それが胃腸についたものと思っている。

嘔吐または下痢は、症状的には飼い主さんとしてはあまく考えがちだと思うけど、その原因はさまざまで、放置すれば命の危険につながる病気は結構あるので早めに信頼のおける動物病院にかかるのがよいと思う。