こんにちは、風山美久里です。
今回はイヌの異嗜症について考えてみたいと思います。異嗜症とは、食事以外の異物を積極的に食べる、または誤って食べてしまうことです。
散歩のときに、木の枝葉、泥、草、他の犬の糞便、石ころなどを食べたり、家にいるとき、あるいは外につながれているときにいろんな小物雑貨やビニールなど、当然消化されるはずのないものを口に入れてしまう経験をされた飼い主さんは多いと思います。
これとは別に、幼少時代(生後3~8か月ぐらい)では自分の排便を食べる食糞でお困りの方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
これらすべてが異嗜症とよばれるものですが、たとえばチョコレートやネギ類などを食べて中毒をおこすというのは当然異嗜症とは区別されます。いずれ取り上げたいとは思いますが。
さて、まず困るのが飼い主さんが異嗜の現場に遭遇した時、当然のことながら口に手を突っ込んでむりやり取り上げようとするんだけど、食べ物の恨みは人も動物も同じと見えて、大概の犬は牙をむいて怒ってくると思います。かまれた経験をお持ちの飼い主さんも大勢おいでになるのではないでしょうか。
その場合はとにかくプロボクサーのストレートパンチの如く、早わざを以てして引きちぎれてもいいから強引に取り上げるしかありません。失敗して飲み込んでしまったとき、本当なら獣医さんに直行ですが、それが行きつけの獣医さんの休診日、あるいは夜間の出来事であれば悩みますよね。
そこで、飼い主さんでもできる方法をご紹介しておきたいと思います。ただし、飲み込んでしまったと思われるものが比較的小さいものでいびつな形でないものに限ります。前回の食事から時間がたっている場合、まずパンを食べさせなさい。そののち、好きな飲み物、たとえば牛乳などに相当量の塩を混ぜて飲ませなさい。飲まなければ強制的に少しづつ気道に入らないように注意しながら与えるんです。そうすることでパンと一緒にもどさせることができるかもしれません。
上手くいかなければやはり獣医さんですので、休診日や夜間(といっても常識的な時間帯に限る)でも連絡がついて視てくださる動物病院を日ごろから探しておくことが必要でしょうけど。
ここで少し注意しておきたいのが、動物病院によっては異物の飲み込みなら必ず手術や内視鏡で解決を図ろうとする病院が多いのではないかと思うのですが、ちょっと待って❕ うまく吐出させる方法もあるので。手術は動物の負担が大きく、手術・内視鏡ともに飼い主さんにとっても高額の費用になります。僕なら吐出不能のものでないかぎり、まず、嘔吐させることを考えます。
どのようなものを、どの程度の量食べたのか、説明できるようにしておいてね。